2021/02/13 23:07の地震その後、分かったこと
2月13日福島県沖の地震と2011年東北地方太平洋沖地震は気象庁のデータで比較すると
2021年2月13日福島県沖地震 | 2011年東北地方太平洋沖地震(略して東日本大地震とも) | ||
発生時刻 | 2021年02月13日 23時08分頃 | 2011年3月11日 14時46分 | |
震源地 | 福島県沖 | 三陸沖 | |
最大震度 | 震度6強 | 震度7 | |
最大加速度(PGA) | 1432ガル(宮城県山元) | 2933.7ガル(宮城県栗原市築館町) | |
位置 | 緯度 | 北緯 37.7度 | 北緯 38.6度 |
経度 | 東経 141.7度 | 東経 142.51度 | |
震源 | マグニチュード | M7.3 | 9.0 |
深さ | 64.7km | 23.74km |
東北大学災害科学国際研究所教授の遠田晋次さんのお話
新聞記事からの転載になります。
今回の地震は、10年前の東日本大地震のプレート境界で起こった地震の影響を受けた可能性が高いと考えられています。
先日の福島沖地震と東日本大地震の震源の図解を見てください。
今回の地震は、
プレート境界型(プレート間地震ー2011年東北地方太平洋沖地震など)ではない
東日本の陸地が乗る陸側プレートの下に沈みこんでいる太平洋プレート内部で起こった地震
沈み込むプレート内地震(今回の福島県沖地震)です。
さらに、わかりやすい図解を作りました。
今回の地震は、海の太平洋プレートの内部にも地震を起こす断層がたくさんあって、それが動いて地震を起こしました。
この地域では、東日本大震災で地殻内の力のバランスが崩れた状態が、10年たってもまだ続いているということです。
福島県沖だけでなく、茨木県沖、岩手県沖から日本海溝(下図参照)のあたりまでしわ寄せが来ており、大きな地震が起きやすい状態が続いています。
下の図は、東日本大地震の時の震源域の様子です。
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ここに今回の地震による歪みが更に加わって、プレート境界がずれやすくなった可能性があるため、
今まで以上の警戒が必要です。
今回は震源の深さが64.7kmもあったため、海底がそれほど上昇せず、ほとんど津波は発生しませんでした。
しかし、もう少し浅いところで地震が起きると津波が発生するので、
今後、大きな津波にも警戒が必要です。
短い周期の地震の波と長周期地震動について
今回の地震の強い揺れで、新幹線の窓電柱、ブロック塀、石灯籠などが壊れました。
これは小刻みに揺れる短い周期の地震の波によるものです。
その被害は震源に近い宮城県、福島県の海岸を中心に出ています。
宮城県山元町では、2016年の熊本地震の本震の際に益城町で観測した加速度約1300ガルを超える加速度約1400ガルを記録しました。
長周期地震動
大規模地震で発生する長周期の振動です。
一般に考えられる断層地震では、地震波の波長は断層の滑り量(断層が動いた長さ)に応じて大きくなります。
したがって大規模地震になると大きな振幅とともに長周期の地震波が発生します。
この地震波は小規模の地震に比べて距離が遠いほど他の波に比べて顕著に目立つ性質があります。
波動というものは、周期が長いほど減衰しにくい特性があり、特に表面波では減衰の条件が少なく自由振動に近い性質をもちます。
したがって震源からの距離が遠い場合でも長周期地震動だけが到達することが多くなります。
大きな振幅で揺れる高層建築物は、大きな歪みを生じて窓枠やガラス、外壁が破損落下したり、
内部の立体駐車場やエレベータなどの機械の破損や機能不全を生じ、
屋内の壁の亀裂や破壊、設置してある複写機や什器や家具がかなりの速度で動き周るほか、
人はひとところに立っていられず、避難さえ困難になることがあります。
ゆっくりした大きな揺れ(長周期地震動)についても、福島、中通りの郡山市で最大階級の4を観測しました。
階級4 =「高層ビルなどでは立っていることができず、はわないと動くことができない」ほどの揺れです。
ゆっくりした長周期の波は遠くに伝わるので、かなり広い範囲で影響が出ました。
最大の「階級4」は2016年4月15日に初めて観測されました。
これは同日未明に発生した熊本地震の前震活動に伴うもので、熊本県宇城市松橋町で観測されました。
その翌16日1時25分の「本震」で2回目の「階級4」が観測されましたた。
3回目は2018年9月6日の北海道胆振東部地震で観測されました。また、
2021年2月13日の福島県沖地震において、本運用移行後初めて長周期地震動「階級4」が観測されました。
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
東日本大地震の時のように
今後は、プレート境界がずれやすくなっているために今まで以上に警戒が必要です。
遠田晋次:東北大学災害科学国際研究所の教授。理学博士
主な著書:連鎖する大地震(岩波科学ライブラリー)
【大地震は長年蓄積された地殻の歪みが解放される現象です。ならば、その後に大地震は起こらないのでしょうか。むしろ逆に周辺部で誘発されることを本書は主張します。東北地方太平洋沖地震を例にその前後で何がどう変化したのか。どこに大地震の可能性・切迫性があるのか、首都圏の危険度などを最新の観測事実とともに考えます。】
:活断層地震はどこまで予測できるか 日本列島で今起きていること(講談社)
【熊本、鳥取、福島沖──なぜ、大地震が頻発するのか? 地震の連鎖は「活動期」に入ったからなのか? 日本列島に走る活断層の数はなんと2000以上、次の地震を引き起こす「火種」は今もどこかでくすぶりつづけている──。活断層とは何か? 直下型地震はどうして起きるのか? 今知りたい疑問に答えます。】
今日の新型コロナ感染状況
[2021/2/20 23時59分]国内新型コロナ新規感染者数:1,234人、国内総感染者数:425,280人、累計死亡:7,456人
累計死亡者数(2/20):①東京都1248人、②大阪府1088人、③北海道656、④神奈川県648人、⑤埼玉県514人、⑥兵庫県505人、愛知県502人、千葉389人
昨日で埼玉県が兵庫県を抜きました。
出典:札幌医大様ホームページからの転載です。