利用者に喜ばれる建物づくり 建築について

連載28-2(16)真の要求に応えきるために

医院・病院を新築・増改築・改修しようとしている方に役立つ建物づくりの連載−28

利用者に喜ばれる医院・病院づくり 第1章 納得しながら進める医院・病院づくり

2.施設づくりの流れと設計者の役割

(16)真の要求に応えきるために

建築設計の目的とは、

真の要求をつかみ、それを建物として実現することです。

そのためには設計者として、独善的にならず、真の要求と表面的な欲求の間の断絶をつなぎ、

そして地域社会に密着し、住む人・使う人の立場に立った設計技術の発展を目指すことが求められていると思います。

阪神・淡路大震災(1995年1月17日M7.3)

そこでは、命や安全を守ることが問われました。

私どもの事務所で設計した東神戸病院は、活断層帯の真上にありました。

地震の際は正しく隣のビルが崩壊するなど近隣の建物が多く被害を受けました。

 病院建物は、屋上の高架水槽が倒れた以外は、軽微な損傷程度にとどまり

全国の病院から医療従事者が支援に駆けつけ、神戸市民の救護拠点として活躍した事を聞くと安堵の胸をなで下ろしたものです。

この時、思ったのは、当時当社の設計の建物は構造的にごつい、柱が太いなどと言う中傷もあったと聞きます。

しかし、地震時の構造解析の際、安全率を高めて構造設計するという当時の当社の構造設計スタイルが生きたのです。

日本の建物を取り巻く自然環境は厳しいモノがあるだけに、 経済性やデザイン性だけを優先すると言うことは、

設計者のエゴと問われる事にならないか

今の建物の設計の最初の検討する項目に、自然災害への備えをどう考えたかを十分に検討した上での設計であること。

そうではないと、あまりにも自然に対して脆弱な建物の造りだと言われかねないでしょう。

本当に住む人、使う人の生活を支える建物・施設にするために、専門家として先導する役割があり、建主を支えきる役割が求められています。

主体は建主にあり、真の建主の立場に立つこと、住む人・使う人の総意を結集する役割と、 建主が決断する際の専門家として支える役割が

設計者には求められているのではないでしょうか。

2.施設づくりの流れと設計者の役割はこれで終わります。

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