1984年1月24日、アップルコンピュータはマッキントッシュを発表します。そして今年1984年が、小説『1984年』に描かれているような年にならない理由がわかるでしょう

利用者に喜ばれる建物づくり 建築について

連載30-3(2)設計者の選定方式

医院・病院を新築・増改築・改修しようとしている方に役立つ建物づくりの連載−30

利用者に喜ばれる医院・病院づくり 第1章 納得しながら進める医院・病院づくり

3.納得できる設計者の選定とは

(2)設計者の選定方式

それでは、このページでは代表的な4つの設計者の選定方式をかいつまんで説明します。

①特命方式

「設計案」を選ぶのではなく、発注者が、設計者の能力、実績、作風、設計方法、評判などを調査し、自らの見識と責任において設計者を直接選ぶ方式。

②コンペ方式

発注者が複数の設計者から、対象プロジェクトについて設計案を求め、その中から相応しいと思う設計者を指名する方式。「公募型」と「指名型」がある。

③プロポーザル方式

発注者が、複数の候補者に、対象プロジェクトの設計業務に対する考え方、計画を展開する方向などについて「技術提案」を求め、

また、必要に応じて面接を行い、設計者を選定する方式。「公募型」と「指名型」がある。

④資質評価方式

発注者が、複数の候補者に、まず、資質評価のための「資質表明書」の提出を求め、3〜5社にしぼる。

次いで、面接したり、必要に応じて、作品の視察や関係者の意見聴取をして、順位をつける。

その後、最上位の候補者と、業務内容・期間等を確認し、報酬について協議する。

合意に至らない場合は、次の順位の候補者と協議し、以下、合意に至るまで同じことを繰り返す。

プロポーザル方式とは

「プロポーザル方式」とは、一言で言えば、建築設計を委託するうえで、もっとも適した「人(設計者)」を選ぶ方式です。

すなわち、技術力や経験、プロジェクトにのぞむ体制などを含めたプロポーザル(提案書)を提出してもらい、公正に評価して設計者を選ぶ方式です。

①設計者選定には、公正性、透明性、客観性が求められています。

「プロポーザル方式」では、適正に運営されれば、客観的な評価基準をもとに、公正な審査が行われて、選定プロセスも透明性が確保されます。

時代が要請する公正性、透明性、客観性をもつ設計者選定が可能な方式です。

②「競争入札方式」に代わり、質の高い設計を可能にする選定方式。

建築設計は、あらかじめその内容や結果が目に見えるかたちになっているわけではありません。したがって、競争入札方式によって設計料の多寡だけで選定することは適切ではありません。高い技術力や経験をもつ設計者を選定する「プロポーザル方式」がすぐれている点は、出来上がる建築の質の高さに重点が置かれている点です。

③費用・労力・時間に負担をかけない。

「プロポーザル方式」では、具体的な実施方針・設計体制や実績の紹介などに関する提案書を作成することが中心です。「コンペ方式」に比べて提出者側も主催者側も簡便に対応できる点が大きな利点としてあげられます。

④設計案ではなく、人(設計者)を選ぶ方式。

「コンペ方式」は設計競技であり、「設計案」の良否を検討して選ぶものです。

これに対して「プロポーザル方式」は

「設計案」ではなく設計を委託すべき「人(設計者)」を選ぶ

点が異なります。

⑤設計者との共同作業が図れる。

「プロポーザル方式」では、設計者を選定し、それから具体的な設計が発注者との共同作業により進められます。

いわば、設計者と発注者との密接なコラボレーションによる質の高い建築設計が可能な方式といえます。

⑥ヒアリングを行い、設計者の能力や人間性を総合的に判断。

書類提出だけではなく、ヒアリングを行うことで設計者の総合的な能力を直接評価することができます。

⑦プロポーザル方式は全国で多数実施されています。

「プロポーザル方式」には指名型と公募型の2タイプがあります。

指名型は、あらかじめ定めた選定条件に基づきプロポーザル提出者を絞り込み提出要請をするものです。

また、政府調達協定に該当する一定規模以上の公共建築の設計や、内外から広く設計者を募る場合には、公募型プロポーザル方式が採用されます。

出典:社団法人公共建築協会発行「設計プロポーザルの進め方、プロポーザル方式による設計者選定マニュアル」

又、国土交通省から「質の高い建築設計の実現を目指してープロポーザル方式ー」も提案されています。

 

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