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連載23-2(11)工事請負契約から現場が始まるまで

医院・病院を新築・増改築・改修しようとしている方に役立つ建物づくりの連載−23

利用者に喜ばれる医院・病院づくり 第1章 納得しながら進める医院・病院づくり

2.施設づくりの流れと設計者の役割

(11)工事請負契約から現場が始まるまで

このS病院増築工事の工事契約はコストオン(下記に詳細)による契約でした。

この場合は、建築、電気設備、機械設備、昇降機設備の各業者との協定書が作られ、それも工事請負契約書に添付します。

施工業者が決まって工事請負契約を結びます。契約書には図面のみでなく、選考の際に約束したこと、質疑回答等全ての文書をもって綴じて一括契約内容としました。

契約書には必ず四会連合協定(下記に詳細)の請負契約約款をつけます。

起工式、上棟式等の工事に伴う式典は、組織の内外に建設の意義や経過、取り組みの現状を明確にし、

建設を「運動」として発展させる契機にする意義があるようです。

S病院増築工事も、近隣の住民の皆さんや友の会、患者さん、病院職員、関係した人達を集めて盛大な起工式が執り行われました。

工事が始まると、現場打ち合わせが定期的に行われます。

規模によっても設計監理者の考え方、官庁発注工事とでは会議の持ち方が違います。

S病院の場合、月例会議のほかに毎週のペースで行われる定例工程会議、設計監理者と建主の2者会議、設計監理者と工事業者との技術会議等があり、

それにも建主の担当者を決めて出席して貰いました。

その他、膨大な施工図が各専門工事業者ごとに作成されます。

それを設計監理者は全て承認しなければ現場は一歩たりとも前に進みません。

その他、工事現場には、現実に設計図通りに物が収まっているかの確認業務が延々と続きます。

工事上の技術的な問題については、監理に当たっている設計事務所の担当者が処理しますが、

工事進行に併せて、設計内容の再確認、工程上の問題、容器の取り合わせ、設計変更などは

発注する側(この場合は各職域の実際の医療従事者)も理解する必要があるものには

積極的に絡んでもらうようにしています。

工事の工程の節々で、工事監理報告書によってどのように進んでいるかを建主関係者、建設委員会の皆さんなどに明らかにします。

注)コストオン方式とは

工事を発注する際に、特定の工事ごとに専門工事業者を選定し、発注者と各専門工事業者との間で工事項目毎の工事費を取り決め、合計工事費に元請会社の工事管理費を上乗せ(コストオン)して元請会社に工事発注するために締結する工事請負契約方法のことです。今回は、施主(発注者)が電気設備工事、機械設備工事、昇降機設備工事を発注する際に適用された。予め、当該分野の工事金額を確認した上で契約するため、施工責任が明確になることがメリットとされる。元請けが下請けとして発注金額を不当にダンピングすることも無いこと。各専門工事業者も下請けではないため対等に工事進行に協力できる体制となる。デメリットは、工事全体を束ねる工事監理者の力量も求められ、負担も相当大きいこと、工事監理と元請けゼネコンの工事管理は全く違う。

注) 四会連合協定ー2020/4/13現在は民間(七会)連合協定という

四会連合とは、明治29年(1896)民法の請負契約規定制定により必要性が高まり、大正12年(1923)建築学会、建築業協会、日本建築協会、日本建築士会(当時の学は學に、会は會)で工事請負規程を制定し、昭和26年(1951)に四会協定工事請負契約約款に改称、昭和56年、建築業協会、日本建築士連合会、日本建築士事務所協会連合会が新たに加入し、平成9年(1997)に「民間(旧四会)連合協定工事請負契約約款」に改称し、令和2年(2020)民間(七会)連合協定工事請負契約約款と改称された。

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