医院・病院を新築・増改築・改修しようとしている方に役立つ建物づくりの連載−11
利用者に喜ばれる医院・病院づくり 第1章 納得しながら進める医院・病院づくり
1.参加型の共同設計で進める設計手法−2
2.参加型の共同設計とは
病院の新築に限らず、増築や改修の設計には、
様々な要素があり、相反する要素もあり、その着地点を合議の中で見つけ出す課題がたくさんあります。
厳しい選択、難しい判断に迫られることもあります。
それは少人数の建設担当者や設計チームだけで創ったモノの押しつけであってはなりません。
病院に関係する様々な人々の大勢の参加を募って、
多くの視点、要望、条件が広く検討されて、
互いに相手を認め合う討議の中から、
解決策を見いだし、納得した上で、
総合的に、計画に反映されるのが本来の参加型の共同設計という手法です。
参加型の共同設計の目的
病院は、非常に複雑な要素を持っています。
「病院の死角」をなくし、
「厳しい医療現場の実態から許されない無駄を省き」、
「安心できる拠り所」、
「ほっとできる癒されるヒューマンな空間」、
「スタッフが協力協働しやすく、医療、介護がしやすい」
という病院を作り出す事がこの参加型の共同設計の目的です。
設計段階から広範な人々の参加が必要
病院建設に関わる人達とは
法人理事、管理者、医師、看護師などのコ-メディカルスタッフ、事務職員、医療活動を支える組合員や友の会等の組織の人々、そして地域の患者さんとその家族などがいます。
現実の建物 病院が反面教師
その人達にとって叶えられる希望の星は、今目の前にある現実の病・医院が反面教師として存在します。
一緒に施設の良し悪しやあり方を検証できる実物があります。
病院のリニューアルの場合は、立場の違う多数の視点で、既存の施設を検証するところから計画を始めることができます。
「関係者と共に作る」参加型の共同設計
を進めてきました。
「前例を検証して、必ず一歩前進」を合言葉に
実例でその進め方を紹介します。