気になる原発廃炉問題(3)
原子力学会ではその廃炉の最終形についていくつかのシナリオを素案として提示した。
シナリオ-1はデブリを取り出した後、すぐに建屋などを解体を始め廃棄物全て撤去する場合だ。
敷地が再利用できるまでには100年程度かかると推定した。
国のロードマップで目標としている最長40年を大きく上回る。
敷地外で処分が必要な放射性廃棄物は凡そ760万トンと試算された。
廃棄物の量を減らす検討もした。
シナリオ-1の修正はデブリ取り出し後、建屋などを数十年間安全に保存し、放射線量を下げてから解体する。
この場合、敷地が再利用できるまでに150年程度かかる。
その代わり放射性廃棄物は180万トンに減らせると試算された。
さらに廃棄物を減らす方法として、建屋の地上部分だけを撤去するシナリオも検討した。
シナリオー2は残した地下の構造物やその周辺は土やモルタルで埋め、立ち入りを制限して、放射線量を監視しながら管理する。
この場合、地上部分をすぐに解体撤去しても、安全保存後に解体撤去しても、地下部分の放射線量が十分に下がるまで300年程度管理が必要になる。
安全保全後に地上部分だけ解体撤去する場合では、廃棄物は凡そ110万トンにまで減らせると試算された。
その他シナリオ3,シナリオ4は前ブログを参照下さい。
原子力学会は他にも選択肢はあり得るとした上で、大量の放射性廃棄物をどこでどのように処分するのか、福島だけでなく、国民全体で考えるべきだとしている。
原子力学会が示したシナリオを国はどのように受け止めているのか
国の回答
『福島第一原発において、どのような状態をもって「廃止措置終了」とするのかについては、
炉内状況の把握や廃棄物の処理・処分の検討状況など、不確定要素が多い状態であり、
まだ具体的な絵姿を示せる状況にありません。
今後、調査と研究を進めながら、検討を深めていくことが必要です。
国としては廃棄物が適切に処分されるよう、最後まで責任をもって対応していきます。』
また、廃炉の当事者である東京電力は、議論の前提となる廃棄物に関する情報がまだ、十分に得られていないとしている。
一方、地元自治体はあくまでも速やかに全ての放射性廃棄物を撤去し、県外で処分することを求めている。
『廃炉=現状復帰ということでさら地になっている状態をイメージしています。』
(有る自治体長)
『最終処分は県外搬出は決まりというかそういう約束ごとだから』
(伊澤史朗双葉町長)
『まずはさら地に戻して、戻りたくても戻れない人たちの現在の福島第一原発への不安というものの払拭につなげなければいけない。』
(大熊町吉田淳町長)
今後、廃物をどこでどう処分していくのか。
今、その難しさを象徴する事態が起きています。
原発の敷地に貯まり続ける汚染水を処理した水をめぐる問題です。
この問題については、又別の機会に話をしたいと考えています。
今日の新型コロナ感染状況
[2021/3/26 23時59分]国内新型コロナ新規感染者数:2,026人、国内総感染者数:465,752人、累計死亡:9,017人
新規感染者数が又々感染爆発となる勢いです。!
そして、国内総感染者数が46万人を超え、累計死亡が遂に9,000人を超えました。
新規感染者数(3/22):①東京都376人、②大阪府300人、③神奈川県117人、④埼玉県135人、⑤千葉県135人、⑥愛知県64人、北海道69人、兵庫県116人、宮城県153人
赤字の数字で示したのは前日比で増になった所。
その中でも懸念されるのが宮城県と沖縄。
宮城県は2月下旬に県独自にGo to Eatやってしまったからと言うのが原因でしょう。
国内重症者325人(3/25)-328人(3/24)=前日比-3人、PCR検査数37,369件/日(3/23)、死者数27人(3/25)前日比+6人
昨日の新型コロナ感染状況
[2021/3/25 23時59分]国内新型コロナ新規感染者数:1,917人、国内総感染者数:463,727人、累計死亡:8,984人
最後に、過去7日間増加の新規感染者数が上向きの都道府県だけのグラフです。(3/25版)