医院・病院を新築・増改築・改修しようとしている方に役立つ建物づくりの連載−26
利用者に喜ばれる医院・病院づくり 第1章 納得しながら進める医院・病院づくり
2.施設づくりの流れと設計者の役割
(14)引渡し
引渡しとは、建主(発注者)、設計者&設計監理者、施工業者の3者が一同に介して、最終の工事完了を確認し、建物の使用権を建主に引渡す場です。
それまでの工事中は、火災保険も含めて、使用権、及び建物の保全責任は施工会社にあります。
引渡し後は建主(発注者)に建物管理責任が移りますので、火災保険を先ず掛ける必要が出てきます。
まず最初に、竣工検査時に指摘したダメ直し工事の完了を確認します。
続いて、引き渡しです。
引き渡し書類は
竣工図
確認通知書(正)及び検査済証
消防使用開始届等の官庁への諸届け書類
承認図
建築担当施工会社営業担当から現場責任者まで、各電気・機械・昇降機設備当業者の連絡リスト
その他、施工図・加工図・製品図面一式
試験成績表
取扱説明書
竣工写真
および工事写真等
各室入室建具鍵のリスト(警察届のマスターキーナンバーも)と鍵収納箱
設備点検用備品
その他予備備品及びそのリスト・・・などの多数の書類
最後に、建主が建物・鍵引渡し書及び受領書に押印して
施工会社からその引渡書を受領確認した旨の書類に押印して
竣工引き渡しとします。
これらの書類は建物規模によっては膨大になります。
今回のS病院増改築工事では、ストック箱3箱になりました。
ぜひ、保管場所を決めて、今後の毎年の保守点検時の生きた書類とする必要があります。