医院・病院を新築・増改築・改修しようとしている方に役立つ建物づくりの連載−5
利用者に喜ばれる医院・病院づくり 第1章 納得しながら進める医院・病院づくり
1.参加型の共同設計で進める設計手法−5
5.「外来及び病棟のまとめ」を各グループから発表
まず、第2回のグループ討議の結果の「外来及び病棟のまとめ」を各グループから発表してもらいました。
設計チームは事前の事務局会議で前回出された意見を取り入れた新しい案を検討しておきます。
初めての案を出す時はかなり周到な準備が必要です。
ここで設計チームがある形に誘導するようなことが無いように注意します。
案は、外来、病棟の平面の外枠だけを描いた図です。
これをグループで検討するために大きくA1にプリントしたモノを配布しました。
8グループに分かれ、それぞれで「外来及び病棟のまとめ」を検討し、相違点を確認しながら意見を絞っていきます。
次に、8グループを再編し、外来、病棟の2つのグループに分けます。
設計チームがさらに用意した2つの大きな図面には、外来、病棟それぞれの部門を示すブロック図や部屋のつながりを示す線が表現されています。
そこに、参加者が広さや空間のイメージを、言葉や写真、スケッチなどにして張り込んで行きます。
全体会で、2つのグループから討議の経過を発表し、それを全体に計るという形で討論を行いました。
2つのグループの共通点、相違点などを全体で話し合い、確認し、まとめます。
出された意見に対して、設計チームからは建築の専門家としての補足発言を行います。
その上で、今回の議論の中身をまとめ、意見の相違を解決する内容を設計チームから提案し
それまでの意見全てを今後の計画づくりに生かすことを確認して終了しました。
この回は途中で小人数の8グループが大人数の2つのグループに変化し、それが最終的には元の8グループに戻るのが特徴です。