利用者に喜ばれる建物づくり 建築について

連載6-1(6)ワークショップのまとめ

医院・病院を新築・増改築・改修しようとしている方に役立つ建物づくりの連載−6

利用者に喜ばれる医院・病院づくり 第1章 納得しながら進める医院・病院づくり

1.参加型の共同設計で進める設計手法−6

6.構想づくりの成果と活用ー「計画の手引き」

これまでの討議で出た内容を設計チームと建設事務局でまとめました。

最終的に「ワークショップのまとめ」として、参加者への報告会がもたれました。

「外来」「病棟」「業務・運用面」の3項目に整理され、

A3版26ページの報告書となり、引き続く設計と建物作りの中で「計画の手引き」として大いに活用されました。

特徴的だったのは、患者のプライバシーに関する意見、受診方法についての情報提供を求める意見が多数出されたことでした。

病院の魅力は職員の説明や納得できる診療情報

「大部屋を4床室に」の意見は、事務局や設計者の予測に反して少なく、

むしろ病院の魅力は職員の説明や納得できる診療情報等に感じているようです。

それでも、投資額が大きい4床室化を選択したのは、将来に対応できる施設にしよう、そのために必要な資金はみんなで集めようとの組合員たちの決断です。

外来への意見

外来では、「案内表示板が不足している」、「あってもわからない」など案内インフォメーションに関する意見が約40項目出されました。

また、待合室の椅子や雰囲気についての意見もたくさん出されました。

椅子の幅、高さ、背もたれの有無や配置、間隔、照明のあり方などから、多様な椅子を配置して欲しいなどです。

案内と待合室の椅子については、工事が始まってから専門のデザインチームをこの建設委員会に加えて対応していくことになりました。

病棟への意見

「消灯後梁でできる多目的室を」

「湯沸室に電子レンジの設置と夏前の臭い対策を」

「トイレ内には,小物置き、点滴とバルーン用に上下2段のフックを」

「洗濯機、乾燥機は騒音を考慮した配置に」

など・・・の具体的な意見が特徴でした。

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