間違いだらけの建物づくり 建築について

間違いだらけの建物づくりをしていませんか?

良い建物を安く建てたいと願う人へのメッセージ

魑魅魍魎の棲むという建設業界

その業界を相手に、安くて良い建物を造ることは至難の業です。

これから建物を建てようと思っている方へ

 先ず、これから建てようとする訳だからその建物はできていないので見ることができません。

 もう出来上がっている車や洋服やスーパーで買う品物を選ぶのとは違います。

 見ることが出来ないものを、比較もできないし、まして、何が良い建築で、どこまでの金額なら安い建築なのかを判断することは難しいのです。

 そして、建物は洋服やスーパーで買う品物とは比べものにならないほど高額な買い物です。

 物によってはフェラーリやポルシェなどのスーパーカー程度の価格になるモノではあるが、

 スーパーカーはしっかりと実物を見て買うことが出来ます。

 見てもいない物に〇千万?〇億円も支払う契約をしてしまうのです。

 それが建設行為は一世一代の大博打みたいな物だと言われる所以ですが、そう安穏としていられる場合ではありません。

建設への投資を大博打にしないためにはどうしたら良いのか?

 先ず、それには「良い建築」を手に入れることです。

そして、「経済的な即ち安い建築」の2つを同時に実現する建物を手に入れることです。

「良い建築とは」どんな建物なのか?

 それを知っていなければ羅針盤のない船に乗るようなものです。

 行き着く港への航路、即ち、どんな建物ができるかは「設計図」によって決まります。

 その設計図は、普通の住宅で、凡そ25~40枚前後(A2版の図面)の図面になります。

 200床位の病院では、500~1000枚(A1版の図面)位の設計図になります。

 設計図を見れば、どんな建物かが分かるのは、やはり専門家でなければ無理です。

 間取り、部屋の位置、広さや高さなどは一般人でも分かります。

 完成予想図などによって、完成した状態の雰囲気も分かります。

これから建てようとする建物を大凡の要素は掴めるかも知れません。

 しかし、それでは余りにも大雑把すぎます。

設計者の説明を受ければもっと詳細なことが分かります。

 建築物は非常に多くの材料でできており、その材料一つ一つが、又、様々な色から形・グレード・機能があります。

 その膨大なものの中から個々の建築条件に照らし合わせて、適したものを選んで、組み立てられていきます。

 設計図はその概要を示しています。

 建築物は様々な分野の技術の寄せ集めで総合されて創りあげられる集合体なのです。

 そして、最も重要なことは、建物というものは、、移動式モゲージやテントとは違い、建てたら動かす訳にはいかないモノなのです。

 住宅を建てたら、そこにずっと住まわずを得ない中で、住みやすいのか、使いやすいのか、働きやすいのか、きちんと生活できるのか、

 水道光熱費は余計にかからない省エネ・省マネになっているのか、構造的に安全なのか、窓はきちんと拭けるか、夏は涼しく冬は暖かいのか、・・・

 こういった大小様々な要素が十分検討されているのかと言うことがあるのです。

 実際には、完成して使用して初めて様々な問題点があったことに気がつくのです。

 そうならないためにもプロの豊富な経験、知識が必要なのです。

 そして、さらにはその建物が幾らでできるのか、いつ頃までにできるのかと言った建設を考える上で極めて重要なことも、設計図では分からないのです。

 そこは、設計者や工務店の言うことを信用するしかないのですが・・・。

「安いけれども良い建築とは」どんな建物なのか?

 思っていた予算よりも安い金額で出来上がったから安いのかというと、建主も良く分からないと言います。

 良い材料を使ったけど安かったと言われると、何が良い材料なのか?

 良い材料=高いのか?

 じゃあ、安い材料=粗悪品かというと分からない。

 そもそも、建設費はどうやって決まるのか?

 そこは、談合で名高い建設業界。

 大変、摩訶不思議な?現象があるのです。

「こんな見積り合わせ、あり得ない?!」

 このホームページトップの写真は最近完成したばかりの薬局です。

 延床面積:499.13㎡、鉄骨造2階建て、用途:調剤薬局、工期:4ヶ月半(しかも3.11東日本大震災後で材料等の調達に影響ある中で完成時期は厳守)、図面枚数=99枚

 この薬局の新築工事の競争見積り合わせにおいて、8社から見積書が次のように提出されました。

 一番安いところからいうと、消費税抜きで

 O組:9390万円、S工務店:1億、T建設:1億300万、H工務店:1億500万、O建設:1億600万、Y工務店:1億2800万、S建設:1億4200万、TO建設:1億4800万でした。

 出てきた見積りの最高額と最低額の比率は1.57倍、差は5410万でした。

 どうしてこんな差が出るのでしょうか?

 一番安いところにやって貰って良いのだろうか?どこに頼んでも同じモノができるのか?

 そもそも、本当の見積り額は幾らなのか?

 本当の見積額というのは、どれもが本当の見積額であり、どれもが正しいのです。

 それは、どの材料も、工事手間も、かかる人区数も各社各様の見積り方であり同じ見積りとなるはずが無いものだからです。

 ただ、もしこの同じ図面が官庁発注工事ならば、凡そ1億9000万というのが設計見積りです。

 それは、建設物価(官庁版といわれ、県単とか国単といわれるもの)があって

 しかも各自治体ごとに、材料、工種について単価が決まっているからです。

 いわゆる定価ベース、これが官庁単価といわれるものです。

 では民間工事なら,どうしてこのような値段になるのでしょうか?

 それが、競争見積り合わせの仕組みなのです。

 競争にすると、どうしても受注したいところは赤字覚悟で見積もるのです。

 赤字にはならないように現場に入ると色んな事をやってきますが、それは別の機会に譲って・・・。

 そして、受注したくないところがあるかと言えば、その工事内容や工事期間、そして受注することでのメリット等々で、受注願望の大きさに差が出てきます。

 そして、材料等の調達能力と、商社卸を通さないで、建設会社の購買部を通して買いたたいての調達。

 それらによって、見積り金額は大きく変わってくるというのが今までの経験で明らかになっています。 

坪59万6千円の単価の建物

 

この薬局の場合は、建主との直接交渉で、9000万ジャストでO組に請負額が決まりました。

 結局、建築というものは、「良い」とか「安い」とかいう基準が掴めないのです。

 本当に良いものなのか、安いのか、は誰にも分からない。そんな基準など無いのかもしれません。

 日本の建設業界は、確かに問題だらけです。

 「良い」建築も「安い」建築も、建主が建設のことに疎いことにつけ込んでないがしろにされてきたのです。

 私は、住みやすい、使いやすい、働きやすい、感動を覚える、職員も成長でき、周りの住民からも支持され、そして建設費の安い建物を造り、提供してきました。 

 このホームページをご覧の皆さんに訴えます。

日本の建築は、もっと安くて良いものができます。

それを実現するのは、あなた次第です。

-間違いだらけの建物づくり, 建築について

© 2024 建築千夜一夜物語 Powered by AFFINGER5