医院・病院を新築・増改築・改修しようとしている方に役立つ建物づくりの連載−4
利用者に喜ばれる医院・病院づくり 第1章 納得しながら進める医院・病院づくり
1.参加型の共同設計で進める設計手法−4
4.「院内探検」の結果
最初に、「院内探検」の結果を発表しあい、気になるところをどうしたらいいか、参加者全員が具体的な意見やイメージを出し合います。
出された意見やイメージは、カードに書き出し、正面の模造紙に張り出します。
出された意見の共通する内容ごとにまとめます。
その時に対立する項目があったらとことん組合員さん同士で話し合います。
誰か上の人が解決するのでは無く、組員さんが自ら解決することで「オラが病院」になっていくのです。
そして、出た意見をカードに書き出し、その横に張ります。
前回のブレーンストーミングの意見も合わせて、討議を整理していきます。
新しい病院に必要なこと、将来像は?
具体的には新しい病院にはどんなことが必要か、どんな「作り」にすると良いのかなどの意見を集約していきました。
次に、外来、病棟、その他の課題の要望や意見の共通点、相違点を各グループごとに1枚の模造紙に記入し、発表してもらいました。
提案された3つの案
設計者は、事前に第1回のグループ討議を元に3つの案をまとめておき建設事務局会議で検討しておきました。
計画の条件と、医療構想に基づく計画のイメージの違いが分かるように病棟の規模が異なる3案です。
3案に絞ることが重要です。多くても少なくても適切ではありません。
課題を鮮明にするには多くの案を出すと目移りして論点の中心がずれます。
3案を、グループ討議の中に検討して貰う素材として、提示して説明をしました。
グループ討論した結果、全病棟の4床室化(当時は6床室中心)が可能であればトライしたいとの要望が多数を占めました。
増築面積と投資額が最も大きくなりますが、検討を進めることを確認しました。
次回までの宿題として、みんなでイメージに沿った絵やスケッチ、写真を集めて持ちよることにしました。