医院・病院を新築・増改築・改修しようとしている方に役立つ建物づくりの連載−3
利用者に喜ばれる医院・病院づくり 第1章 納得しながら進める医院・病院づくり
1.参加型の共同設計で進める設計手法−3
3.「構想づくり」からみんなの参加で
T生協のT協同病院では、地域医療計画の見直しで増床が認められ、340床の病院として増改築をすることになりました。
「みんなで作り上げる病院」を目指して
「構想づくり」を組合員の参加で進めることになりました。
「安全で快適な病院を目指す」という医療構想の骨格がまとまり、設計はこれからスタートです。
建設事務局会議を5回開き、準備し
ワークショップ形式の設計検討会を3回実行しました。
3時間の集まりは毎回70名以上の参加で、述べ参加人数は232人、内訳は組合71人、職員105人、他院所14人、地区役員7人、計画事務局21人、見学者14人でした。
第一回は「既存の病院の施設面と運用面の評価」がテーマです。
最初の40分は全員でブレインストーミングです。
「病院の良いところ、気になるところ」について意見を出し合いました。
出された意見は模造紙に書き出し、シールに意見を書いて、平面図の該当する場所に張り込みました。
次は「院内探検」です。
外来は、
①駐車場等の外回りとアプローチから受付まで、
②受付から診察まで、
③診察室、
④トイレその他の受信環境の4グループ、
病棟は⑤病室回り、
⑥ナースステーション、
⑦廊下その他、
⑧水回りの4グループに分かれて院内を回りました。
いずれも建物、施設面と同時に業務、運用面も含めて気になる点、使われ方などを事前に準備したチェック項目に従って点検しました。
最後に、「院内探検」のまとめです。
見て廻った感想や意見をカードに書き込み、平面図上に張り込んで整理をしました。